地域にねざす設計舎
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物件データ
竣工時期 平成27年6月
工事概要 移転新築
施設概要 保育所
所在地 京都市伏見区
建て主 社会福祉法人大阪福祉事業財団
1階床面積 415.10㎡
2階床面積 398.10㎡
延べ面積 813.20㎡
構造 木造2階建て(準耐火建築物)
設計担当 蔵田・岡村
施工 花谷建設株式会社
なかよしすみれ保育園
新園舎の建設に先立ち、園舎づくりの目標づくりと、既存園舎のいいところ探しを兼ねたワークショップを行いました。職員、保護者、地域の方々が参加し作った「こどもも大人もみんな元気。みんながつながる保育園」という目標のもと、設計、施工の様々な段階で先生方に深く関わっていただき、時間をかけてつくりあげた保育所です。
計画地は都市計画道路にかかり、様々な制約もありましたが、木のぬくもりの感じられる木造の園舎となっています。みんなが集まれるホールを中心に、ちょっとほっこりできる絵本コーナー、地域の親子がゆったり過ごせるお部屋など、みんなのこだわりがつまった、愛着のある保育所が完成しました。
子どもたちがよく通る位置に、給食室をのぞける窓を設けました
また、ホール側にも窓を設けることで、クッキング時の道具の用意も簡単になるよう工夫しました
門扉は旧園舎の門扉を塗装しなおし、再利用しました
当初は色を変える予定でしたが、話し合いの結果、長年の愛着があるピンクが採用されました
旧園舎の「いいところ」として多くの意見が出たのが、保育室の真ん中のホールでした
当初の先生方の意見では、窓がなく、環境が悪いという意見が多かったのですが、保育をする中ではみんなが自然と集まってくる重要な場所であったという気づきがありました
新園舎ではリズムを行う場所は別に設けましたが、1階、2階とも保育室の真ん中には廊下にゆとりを持たせたホールを設け、異年齢児が交流でき、多目的に利用できる“余白”を作りました
壁にかかる大きな壁画は、15年前の旧園舎大改修時に作成した記念壁画です
長らくあまり目につかない位置にあったのですが、新園舎への建て替えと共に再びみんなの目につく場所に飾られました
竣工式では、当時の先生方が懐かしがって喜んでおられました
階段下に絵本コーナーを作りました
腰を掛けられるように床を下げ、奥行きを持たせることで子どもたちがほっと一息つける場所となっています
周囲の余白空間も用いて絵本棚がおかれ、保護者も気軽に絵本を選んで借りて帰ることができます
0歳、1歳児保育室の外部には、それぞれ専用のウッドデッキと芝生のあそび場をつくりました
0歳さんはハイハイでそのまま出られるように段差をなくし、逆に1歳さんは少し腰かけられる程度の段差を作り、それぞれに合った外遊びができるように計画しています
各保育室はお互いに雰囲気が感じあえるとともに、先生同士で上手く連携を取って保育ができるように、ホールや隣り合う保育室同士に面して窓や扉を設けました
3,4歳児保育室は扉をすべて開けると園で一番広いお部屋となります。活動時はもちろんのこと、お昼寝の時間などは一つのお部屋にしてお互いを見守りあえる体制を整えました