地域にねざす設計舎
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十四軒町グループホーム・デイサービス
認知症の利用者の方になじみやすいよう、昔ながらの住宅(京町家)のような雰囲気の中で介護を、という建て主と私達のポリシーの共有から計画が始まりました。本物の材料、昔ながらのデザインとスケール感、広すぎない空間などに配慮して、家のようにくつろいで過ごせる場所をめざしました。利用される方が慣れているものが使い勝手がよいということで、便利だと言われているものに限らず、昔からあるようななじみのある器具を使ったりもしています。計画中、工事中を通して、建て主・介護の現場スタッフの方からたくさん意見をいただき、より良い建物が出来たと思います。
物件データ
竣工時期 平成15年3月
工事概要 新築
施設概要 1階:デイサービスセンター(認知症10名、一般15名)
2階:グループホーム(9名/1ユニット)
3階:グループホーム(9名/1ユニット)
所在地 京都市中京区
建て主 社会福祉法人 健光園
1階床面積 82.62㎡
2階床面積 64.40㎡
3階床面積
延べ面積 680.40㎡
構造 鉄骨造3階建て
設計担当 蔵田・丹原
施工 株式会社 田中建設工務
土間(機能訓練室)
広くて自由度の高い土間は、機能訓練室として使われています。格子から入る光も心地よく、ほっとする空間です。格子ごしに外の気配が感じ取れます。
デイサービスの玄関
引き戸を開けると玄関があります。
広く取った風除室にはベンチを造りつけています。送迎やエレベーターを待つ時もゆったり。床はタタキ風に仕上げました。
台所は縁側に面してカウンターを設け、土間側からも使用しやすくしています。
和室(認知症デイルーム)は座ってゆっくり過ごせるようにしました。足腰の弱い方も畳の上ではいざって動くことができます。
グループホームの和室(居間・食堂)
障子を開けると大きな樹木があり、木漏れ日が畳を照らします。樹の枝が風に揺れて、風景が刻々と変化します。個室の入口が直接面さないように配慮しました。
グループホームの台所
介護スタッフと入居者が一緒に調理できるように広く取りました。
ゆったりした広い廊下は、ソファーなどを置いて休憩、おしゃべりなどにも使用されています。廊下に面して個室の小窓があり、ゆるやかに室と廊下がつながります。
個室は4帖半の畳と洗面台化粧台を設置した板の間です。入口の木製引き戸は各室のデザインを変える等、自分の部屋が分かりやすい工夫をしました。
車いす対応トイレ
トイレ入口の引き戸は、馴染みのある板戸にしました。