神戸市北区高齢者複合施設が完成
いよいよ夏本番で暑くなってきました。最近の夏の気温は異常で、日差しも相当強いですね。
紫外線による日焼けや高い気温による熱中症など、今まで通りの過ごし方では健康を害する可能性もありそうです。
今日ご紹介するのは、2018年8月に神戸市の北区鈴蘭台に完成した高齢者複合施設です。
木造2階建てで、延べ面積は約830㎡、1階は看護小規模多機能と地域交流スペース、2階はグループホームです。本施設が建つ鈴蘭台は、緑に囲まれた住宅地でアップダウンが多い地域です。我々が計画した敷地はその中でも高台にあり、周囲を見渡せる大変景色に恵まれた場所です。その景色の良さを活かし、2階のバルコニーは建物の周りをぐるりと回る様に計画しました。また、グループホームのリビングの外に当たるバルコニーは特に広めに設計して、天気が良い日は外に出て景色を楽しめるように考えています。
インテリアは、木目を中心としながらもシンプルで落ち着いたデザインにしています。お年寄りの方々がくつろいで暮らしていけるように、住宅の雰囲気を出すことを心掛けました。
また、エントランスの壁はアクセントとして、青いタイルを貼っています。一枚ずつ仕上がり具合が違うため全体的に奥行きが感じられます。ホールには飾り棚を計画し、来た人を出迎える上で和やかな雰囲気になる様に考えています。各ユニットに入る入り口にある扉は、ステンドグラスを散りばめて嵌め込み、視覚的な変化を作り出してデザインが単調にならない様にしています。
廊下は、見通しがきくように配慮。各居室は個室で専用の洗面台がついています。便所はひじ掛け付きの跳ね上げ手すりや横手摺、縦手摺などを要所に設け、ご利用時の動作ができるだけスムーズに進むよう計画しています。浴室は、介助の方向や手摺の位置に配慮したユニットバスを取りいれ、グループホームの各ユニットと、看護小規模多機能に設けています。
外観は、周りの住宅街の雰囲気を壊さないように、家らしい雰囲気となる様にデザインしています。
お年寄りが暮らす建物として十分に配慮しながらも、住宅街である周りの景観への配慮、高台の良い眺望をどう活かすか、など考えさせられたプロジェクトでした。完成からもうすぐ一年が経とうとしていますが、ずっと幸せに暮らせる場所であってほしいと思います。
建物エントランス
外観
エントランス
青いタイルがアクセントになっています。
エントランスホール
向かって左と正面に飾り棚を設けています。
2階グループホーム
入り口1
扉にはステンドグラスを散りばめています。
グループホーム
居間・食堂
木目を使いながらもシンプルなデザインとしています。
居室
個室で車いすでも使える洗面を用意。
便所
御利用者に配慮して、手摺、背もたれ、洗面を計画。
浴室
必要な場所に手摺を設け、移動可能な浴槽を備えたユニットバスを採用。